ギャンブルで負けても、またギャンブルをしてしまう理由
ギャンブルをしている人は、必ず大負けをして「二度とギャンブルはしない!」と心の底から思った経験があるはずです。
にもかかわらず、またしばらくすると何事もなかったようにギャンブルに舞い戻ってしてまうのも、ギャンブルをする人の決まったパターンです。
そして、そうなってしまうのには明確な理由があります。
人間の脳は嫌な記憶を消してしまう
どんなにつらい思いや苦しい思いをしても、人間の脳は時間とともにその記憶を薄れさせてしまいます。
例えば、身内に不幸があった場合に、その悲しみをずっと引きずってしまうと精神にも肉体にも変調をきたしてしまう恐れがあるため、脳はつらい出来事をできるだけ忘れようとするわけです。
楽しかった記憶は簡単には消えない
逆に、楽しかった事や夢中になったことに対しては、脳はずっと覚えています。
とくにギャンブルで勝った記憶というのは、非常に強く脳に焼き付いてしまうもので、具体的には覚えていなくても確実にその快感を脳が記憶しています。
そのため、負けたという都合の悪い経験は簡単に忘れてしまい、勝ったことだけを覚えていて、なかなかギャンブルから抜け出せなくなってしまうのです。
ギャンブルに戻ってしまうのは、お金を持った時
「二度とギャンブルはしない!」と心に誓っても、脳が勝った時の快感を忘れないかぎりは、常にギャンブルに戻ってしまう危険をはらんでいます。
そしてその危険が現実になるのが、「お金を持った時」です。
例えばボロボロに負けて使ってはいけないお金まで使ってしまい、数カ月はギャンブルに手を出す余裕さえない生活を送ったとしても、またなんとか生活を立て直すことができ、少しお金に余裕ができた時、ギャンブル依存症の人は必ずまたギャンブルをしたくなってしまいます。
つまり、ない時はないなりに生活ができるにもかかわらず、一度お金を持ってしまうとまた元に戻ってしまうわけです。
これが依存症の人の特徴です。
ですので、一時的にギャンブルをしていなくても、それが「お金がなかったから」「いく暇がなかったから」だけであれば、ギャンブルを辞められたとは言えず、たまたま一時的にギャンブルから遠ざかっただけなのです。
ですがギャンブル依存症の人は「しばらくギャンブルをせずにいられたな、自分は依存症というほどではないな」と錯覚してしまいます。
そしてまた「たまにはいいか」と軽い気持ちでギャンブルに戻ってしまい、泥沼へと戻っていきます。
依存症の人は、これをずっと繰り返してしまうわけです。
お金がある時にどう対処できるかが依存症脱却のカギ
ギャンブル依存症を完全に克服するには、「ギャンブルができる状況で、ギャンブルをしない」という難しい課題をクリアする必要があります。
たまたま行けなかったのであれば、たとえ1年ギャンブルから遠ざかっていても依存症を抜けたとはいえません。行ける状況になれば、またギャンブルをしてしまいます。
ですから、「行ける時に行かないこと」を意識しないといけません。
何かひとつ、新しい変化を
「お金がある時にギャンブルを我慢する」これが一番難しく、ギャンブル依存症の人には高いハードルで、僕も本当に苦しみました。
この壁を乗り越える方法は、人によって違うので確実な手段はありません。
ただ、この壁を乗り越えるのに唯一、絶対にやってほしいこと、いえ、やらなければならないことがあります。
それが、「新しい変化をひとつ作ること」です。
ギャンブル依存症の人は、お金を持つと必ずギャンブルに一直線に向かってしまいます。
おそらくこれまでもずっとそれを繰り返してきたことでしょう。
例えば、お給料が入ったらまずパチンコ屋に行ってしまうのが習慣となっている人は、そこに無理やり違う行動を入れていくことで、習慣化した流れを変えるきっかけを作ることができます。
例えばそのお金で「服を買う」「3万円を銀行に貯金する」「旅行に行く」「おいしいものを食べに行く」など、これまでは絶対にしなかった行動をひとつ入れて下さい。
そのワンアクションが、あなたの習慣を変えるくさびとなって、少しづつ自分を変えていける可能性を高めます。
とくに、日常を大きく変えるような行動のほうが吉です。
おすすめの方法1「旅行をする」
「旅行をする」ことは本当におすすめです。
はじめての土地に行き、外の世界の空気を吸って新鮮な気分に浸ることができます。その旅行によって自分の全く知らなかった世界に気づき、ギャンブルなんてバカバカしいと気づく人も多いです。
おすすめの方法2「服を買う」
服を買うことで今までファッションなんて無頓着だったのが、いい服を着る事で気持ちにも変化が生まれることもあります。
できれば、ちょっと高めのいい服を買うほうがより高揚感を得ることができます。服だけでなく、靴でもアクセサリーでもOKです。
普段着で家にいる時は気持ちもだらけていますが、スーツを着ると気持ちが引き締まり、仕事モードになる人も多いでしょう。
人間は身につけるもの次第で、気持ちが大きく変化します。そのため、衣服に対する意識を改めることで、心に劇的な変化が生まれる事があります。
ギャンブルで何万円も負けるくらいなら、いい服を買うほうがはるかに健全です。
おすすめの方法3「高級ホテルに行く」
スーツを着て、高級ホテルの1杯1500円くらいのコーヒーを飲みにいくなんていうのもおすすめです。
高級ホテルには世界中からいろいろなお客さんが来ていて、商談をしたりVIP待遇を受けていたりと、自分の知らなかった世界観に浸れたりします。
ただコーヒーを飲んでいるだけでも、自分もその世界の一員になれたような気もちになれます。
「こういうところにいつでも来れるような人間になりたい」そんな気持ちになれれば、ギャンブルなんてやっている自分がばかばかしく感じられます。
こういった現実を変えるような行動が、ギャンブルにしか目のいかなかった自分を変えてくれるきっかけとなります。
ギャンブル依存症の人は、極端に視野がせまくなってしまい、ギャンブルやお金のことで頭が埋め尽くされてしまいます。
そうしたギャンブル脳を変えるのに一番有効なのが、「何か違う行動をすること」なのです。
わざといつもと違う行動をすることで、今まで気づかなかったことや、忘れていた感動を思い出すきっかけが生まれるのです。
実際に僕がおこなったこと
僕も重度のパチンコ依存症でした。僕は依存症を抜け出すためにいろいろな本を読み、旅行に行き、高級ホテルにも行きました。
旅行に行くと本当に普段の日常とはまったく違う世界、空気にふれることができました。伊勢神宮に行ったり、ディズニーランドに行ったりもしました。
けっこうお金を使いましたが、どうせギャンブルで負けるんだからと開き直って、目一杯楽しむことにしました。
これが本当に大成功で、ギャンブルで使う5万円と、旅行で使う5万円は、自分の中に沸き起こる充実度が全然違いました。
パチンコに行くと、5万円なんて4,5時間でなくなった上に、苦痛しか残りませんが、旅行をすれば2泊してもお釣りがきますし、普段感じることのできない心地よさを味わうことができます。
そして、「またこうやって旅行に行きたい」「こんな充実感を何度も味わいたい」という新しい気持ちになることができました。
ギャンブル以外の楽しさを上書きする
人間の脳は、楽しかったことを強く記憶します。
であれば、ギャンブル以上の楽しみを見つければギャンブルを離れるきっかけになります。
依存症の人にとって、ギャンブル以上の楽しみというのはなかなか簡単には見つかりませんが、常に新しい事にチャレンジしていれば、見つけれるチャンスは必ず訪れます。
まとめ
ギャンブル依存症を脱却するにあたり、重要なポイントとなるのがお金を持った時です。
ここでどう行動するかが、自分の人生を変える転機となります。
大事なのはいつもと違う行動をすること。頭では何かしようと思っていても、結局いつもどおりギャンブルに向かってしまうと何も変わりませんよ。
「お金を持った時」
ここが大事です。本当に本当に大事です。
何度でも言います。
「お金を持った時」です。
いつもここで、ギャンブルをしてしまっていませんか?それを繰り返していませんか?
ここで何か違うことをする努力をしてみましょう。それができれば、必ず流れは変わります。
あなたの人生はあなたが決めています。
あなたが取った行動が、あなたの未来を作っています。
明日ギャンブルをしたら、今までどおりの人生が続きます。
ですが、明日何か違うことをすれば、新しい未来へと繋がります。
依存症を抜け出すのは大変です。
ですが、ちょっと行動を変えるだけなら、それほど難しくはありません。できることから一歩ずつやってみましょう。きっとうまくいきますよ。