依存症の人は、毎日のようにホールに行き、毎日のように負けて帰ってきます。
僕もそうでした。
でも不思議に思いませんか?
どうしてこんなに負けるのか。これだけ打ちにいけば、もうちょっと勝つ日があってもいいと思いませんか?
いくらなんでも負けすぎる。
そこで今回は、僕たちの目には見えないホールの内情についてお話します。
想像以上にひどいホールの設定状況
ホールの内情をわかり易く説明するために、スロットを例にとってみたいと思います。
スロットには、設定というものがあります。
ご存知でない人のために説明すると、スロットには通常、設定1~6までの6段階があり、設定1だと悪い台(負ける台)で、設定6がもっともよい台(勝てる台)となります。
■設定1は、何をどう頑張ろうが、絶対に勝てない台です。
打てば打つほど負けます。はっきり言って地獄の台です。
■設定2も同じです。
設定1よりちょっとマシというだけで、勝てないのは変わりません。
■設定3,4は、中間設定と言われていて、そこそこ当たりながら、ほぼトントンになってしまう台です。多少は遊ぶことはできても、打ち続ければプラスマイナス0に落ち着く台です。
■設定、5,6は高設定と言われ、打てば打つほど出玉が増える、つまり勝てる台です。
こうした設定を、ホールは自由に決めることができるので、たくさん出したい日は設定の高い台を増やし、回収したい日は設定を低くすればよいのです。
スロットの台は、長い目でみれば必ず設定に忠実な挙動を示します。
ですので、ホール側は思い通りに出したり回収したりすることができるのです。
では、普段のホールにおいて、高設定の台はどれくらいあって、低設定はどれくらいあるのか、一度想像して見て下さい。
この14台のスロットのシマに、設定1~6がどれくらいの割合で入れられているか、想像してみて下さい。
イメージと現実の違い
依存症の人の多くが、こんな感じで、よい台も悪い台もあるイメージを浮かべてしまうのではないでしょうか。
ですが実際のホールの状況は、こんなかんじです。
これを見ればわかるように、ほとんどが1なのです。
14台中12台が設定1、あとは中間設定3がポツンとあるだけ。
こういうホールに行った時点で、もうすでに負けが決定しているのです。
何をどう頑張っても、どんなに考えて台を選んでも、この店にいる以上は絶対に勝てません。
わずかにある設定3も、換金ギャップがあるため、勝つことができません。
換金ギャップとは、20円スロットで1000枚出ても、交換するときには5.6枚交換などのレートによって、メダルの貸し金額よりも安く換金されてしまうことを言います。
1000枚(2万円)使って1000枚出ても、換金すると負けているわけです。
つまり、最初から勝てる台はないということなのです。
パチンコも同じです。
昔はパチンコには設定というものはありませんでしたが、釘をガチガチにしめて回らなくすればそれでOKです。回らなくするだけで、ホールはだまっていても利益があがるようになっているのです。
現在ではパチンコにも設定が導入されるようになったため、スロットと同じ状況になることは間違いありません。
ホールはなぜこんなに勝てなくするのか
それにしても、なぜホールはこんなにえげつないことをするのでしょうか。
これだけぼったくっているのだから、もうちょっと出してもいいと思いませんか?
それにはこんな理由があります。
1.客が少ない
街の商店街にあるホールや小さいホールなど、普段から客が少なくほそぼそとやっているところは、客が少ないため、高設定を入れる余裕がありません。
少ない客から搾り取るしかなく、それがますます客離れにつながっていき、いずれは閉店というコースをたどります。
2.高設定台しか回されない
高設定を入れると、どうしても客が勝つことになります。
その分低設定台もしっかり客が打ってくれればいいのですが、出ない台は客も早々にやめてしまうため、打ってもらえません。
その結果、高設定台ばかり打ち続けられ、低設定台はだれも打たないという状況になってしまって赤字になってしまいます。そのため、ホールも高設定台を入れたくないのです。
3.だまっていても客がくる
1とは逆に、常連や仕事帰りの客でいつも賑わっているホールは、高設定を入れなくても勝手に客がきて負けて帰ってくれます。
そのためわざわざ高設定を入れなくても、低設定のまま放置しておけば利益が上がるのです。
4.客がいれば出ているように見える
そこそこ客がついているホールであれば、客がお金を突っ込んでいるうちに、一時的に出ることもあります。
すると、低設定ばかりでも、ぱっと見は出玉感があるように見えてしまいます。みんな突っ込んで突っ込んで出しているだけでも、はたから見ればよく出てるように見えてしまうのです。
そのため、客付きのよいホールはわざわざ高設定を入れなくても勝手に客が勘違いしてくれるのです。
高設定台を探すのは、八百屋に肉を買いに行くのと同じ
最近はパチンコ、スロットの情報もネット上で簡単に見つけられるようになったため、若い人はみんな台の知識を持っています。
そのため、みんな設定の判別をしたりしながら高設定を探して立ち回っています。
しかし、高設定のないホールで高設定を探すことは、八百屋に肉を買いに行くのと同じです。
ないところでいくら探しても、ないのです。
そうやって探しながら乱れ打ちしているだけで、あっという間に4万や5万は負けられます。打った台がすべて設定1だったなんてことは当たり前にありますから、どんなに知識があっても、勝つことはできないのです。
そしてそれをホールに怒っても何もなりません。
「おたく、なんでお肉を売ってないのよ!」
「うちは八百屋ですからw」
↓
「なんで出ないんだよ!」
「設定1しかないですからw」
これが答えです。
高設定と低設定は別機種と思え
設定6と設定1
例えばAタイプのジャグラーでも、設定6の台と設定1の台では、はっきり言って別の機種です。
設定6なら、3000~4000枚は簡単に出ますが、設定1だと2000~3000枚も簡単に吸い込みます。
同じ機種とは思えない出玉の違いを見せます。
「あんまりお金がないから、投資の優しいジャグラーでも打とう」なんて考えはまったく通用しません。
ホールには設定6なんてありませんから、ジャグラーでもボロ負けします。設定1は、それほど容赦のない台なんです。
ジャグラーで、5箱6箱積んでいる台を見たことがありますか?
ないという人は、高設定の入っていないオール設定1のホールに行っている証拠です。ジャグラーの設定6は、ドル箱タワーを積めるほどの出玉性能なんです。
ですから当然、ホールは設定6を使いません。「設定6なんて使ったことがないよw設定1から設定4までだな」というホールも珍しくないでしょう。
あなたが勝てないのは必然のできごと
ギャンブル依存症の人ほど勝てないのは、こうしたホールに毎日行き、一日中打っているからです。
当たりのない宝くじを毎日買い続けているのと同じです。
もしこの設定状況が目に見えたら、誰もホールに行かなくなるでしょうが、残念ながら客側にはこれを見抜くすべはありません。それをいいことに、ホール側はやりたい放題というわけです。
ビギナーズラックが起こる理由
「でも依存症になる前は、けっこう簡単に勝ててたんだよなあ。なんで最近はそんなラッキーさえも起こらないの?」
僕は以前、こんなことを考えていました。ですが、これにもきちんと理由がありました。
なぜビギナーズラックが起こるのか?
初めてパチンコに勝つときというのは、誰かに誘われてちょっと打ってみた、空いた時間を潰すのにたまたま打ってみたら当たった、ということが多いでしょう。
例えば遊びでパチンコをやってみて、2千円打ってみたら4箱出て、2万円になった。こういったことはよくあります。そこでビギナーの人は、やったー!と思ってすぐにやめるのです。勝っているうちにやめるのです。
ですがギャンブルにはまっている人は、そこでやめるという考えはありません。
まだまだ時間はたっぷりある。パチンコ打ちに来たんだから、これくらい出たからって帰るつもりなんてサラサラありません。
もっともっと出したいと欲張ってそのまま打ち続けます。
お金があれば閉店まで打ちます。
ですが長く打てば、必ず負けるのがパチンコです。
打てば打つほど負けるリスクがあがります。
けっきょく、最終的には必ず負けます。
負けるまで打ち続けます。だから負けるのです。
つまり、ビギナーズラックは、勝っているときにやめたからこそ起こっていることなのです。
絶対に勝てない状況のホールに毎日行って、長く打ち続けていれば負けて当然です。負けるのが当たり前なんです。それで勝ち続けられる人はいないのです。
まとめ
わたしたちが思っている以上に、ホール側は出す気がありません。
設定1しかないホールで必死に高設定を探し、出そうな台を探し歩き、お金を落としていく姿をモニターで見ながら、店長はニヤニヤわらってみているでしょう。
まさに飛んで火にいる夏の虫です。
もうパチンコスロットで勝とうという考えは捨てましょう。
何をどうやっても、絶対に勝てるものではないのです。6段階の設定を切り替える機能があっても、使われなければないのと同じです。
ただただお金を吸い込むだけの無限貯金箱にまだお金を預けに行きますか?
返ってこないですけど、それでいいですか?
この記事を読んで、なにかの気づきになってくれればうれしいです。